今にも消えてしまいそうなこの路地裏界隈は、私にとってもパラダイスだった。かけがえのない一部分、人ふたりがやっと通れるくらいの細い路地。そこを昔の人たちは一間道路と呼んだらしい。昭和はじめの木造建築の風情がまだ少し残っている。くねくねと曲がりくねった細い道は、まるで迷路のように見知らぬ人を遠ざける。だから、ここは地元の人たちにとり楽園そのものなのだ。